チェーザレ・ボルジアについて、とりとめのないけれど愛に満ちた探究心を発揮するサイトです。

関連書籍-漫画とDVD

関連書籍 漫画とDVD

漫画

「チェーザレ 破壊の創造者 1」 惣領冬実 講談社 2006年

チェーザレ 破壊の創造者(1) (KCデラックス)1491年11月、チェーザレがまだピサのサピエンツァ大学にいた頃(16歳)から物語が始まる。
ほとんどのボルジア関連書籍がロドリーゴの教皇選出から著述されているので、チェーザレの少年期のエピソードはとても貴重!(フィクションであっても・・・)

容姿端麗で機知に富み、気さくで行動力のあるチェーザレがとても魅力的。
側近のミケーレ・ダ・コレッラ(ミゲル)は捨て子院育ちの孤児という設定で登場。同じ主従関係でも、ジョヴァンニ・デ・メディチと彼を取り囲むフィオレンティーナ団とは全く異なる、チェーザレ、ミゲルの親密さがほほえましい。

ロレンツォ・デ・メディチの推薦で入学してきた、世事に疎いアンジェロの目をとおして、当時の大学の様子やピサの情勢が語られる。




「チェーザレ 破壊の創造者 2」 惣領冬実 講談社 2006年

チェーザレ 破壊の創造者(2) (KCデラックス)




「チェーザレ 破壊の創造者 3」 惣領冬実 講談社 2007年

チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)




「チェーザレ 破壊の創造者 4」 惣領冬実 講談社 2007年

チェーザレ 破壊の創造者(4) (KCデラックス)




「チェーザレ 破壊の創造者 5」 惣領冬実 講談社 2008年

チェーザレ 破壊の創造者(5) (KCデラックス)




「チェーザレ 破壊の創造者 6」 惣領冬実 講談社 2008年

チェーザレ 破壊の創造者(6) (KCデラックス) 模擬戦後の祝勝会。年相応にはしゃいでる面々がかわいらしい。特にミゲルとアルバロ。総当りかよ!
和やかな雰囲気はしかしすぐに霧散し、フィオレンティーナ内の密偵の正体が明らかになる。
巻きこまれ重傷を負うアンジェロ。彼の純粋な好意を利用したチェーザレを責めるミゲル。
なんだかこのところミゲルがチェーザレに対して憂悶しているようで気になる。チェーザレの置かれている立場の難しさ厳しさ(庶子であること、ボルジアの後継者であること、聖職者であること、否応なしに政争に関わっていかねばならないこと・・・)について、ロドリーゴやフランチェスコはなんとも思ってないことを心配している。

アンジェロについてのことを責めるのもその一環だろうし、出会った頃の回想シーンに入るのもその延長のように思える。・・・どうなの?
なのにあくまで強気のチェーザレ。本心は違うところにあるようにも見えるけど。ミゲルにも弱音を吐かないんですか!

スペイン語と礼儀作法を学ぶアンジェロは、ピサ編だけで終わらない狂言回しになるのかな。
ホアンやルクレツィア、シレンツィオなどキャラがそろい、性格も判ってきて嬉しい。
スフォルツァベンティヴォーリオなどイタリアの有力者一族の名も出てきて嬉しい。

・・・指先を傷つけあった後、二人は兄弟の契りとかしたんでしょうか?




「チェーザレ 破壊の創造者 7」 惣領冬実 講談社 2009年

チェーザレ 破壊の創造者(7) (KCデラックス) 聖夜。チェーザレは助祭として、ジョヴァンニ、ラファエーレとともに、ピサ大聖堂での降誕祭をとり行う。
各地で同時に始まるミサ。歌声が響き、祈りが満ちる。
壮麗な聖堂の雰囲気は圧巻。臨場感を感じられる。重く湿った空気、反響する音、ろうそくのにおい。

ピサ大聖堂の内陣に据えられている、皇帝ハインリヒ7世の墓標。それを見上げながら、チェーザレはランディーノ教授との会見に思いをはせていく。

ローマ帝国建国、カノッサの屈辱、ダンテとハインリヒ7世の物語を経て、チェーザレの思考の柔軟さと、「治世における権力の一元化」への悟りが描かれる。

ミサの夜から唐突に(そしていささか強引に)話が飛び、かなり遠くまで長々と寄り道する。
「本編はどうした!」という気もちにもなるが、これからのチェーザレの人生に深くかかわっていく重要なエピソードとなるのだろう。今は「木」しか見えないが、最終的に「森」を見たとき、欠かせない枝葉になっているはずだ。
しかしやはり、チェーザレもミゲルも活躍しない、挿し絵つき説明文のような画面は、とてもさみしく、物足りないことは否めない。

一瞬だけ登場する、ギルランダイオとミケランジェロが、うれしい。巻末のコラムを読むと、彼らは皇帝の墓に関わる人物として、再びの登場がある・・・ようだ。




「チェーザレ 破壊の創造者 8」 惣領冬実 講談社 2010年

チェーザレ 破壊の創造者(8) (KCデラックス) [コミック] 1492年。
レコンキスタが完了し、スペインは真のキリスト教国となった。各地で祝宴が開かれ、みなが喜びに沸き立つ。
チェーザレはロレンツォ・デ・メディチに招かれ、フィレンツェでの祝祭に赴く。同行者はラファエーレ・リアーリオ。真の目的は同盟の確認。
パッツィ家の陰謀事件以来の確執を乗り越え、ロレンツォとラファエーレは向かい合う。北方の脅威に備え、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレの目論む教皇庁とナポリの接近を阻止するためにも、三者の同盟は必須なのだ。

しかし今、イタリアの支柱であったロレンツォは病に侵され、倒れる寸前にあった・・・。

歴史が動き、チェーザレが少しずつ政治の中枢に関わってくる。嬉しい。楽しい!難しくなってくるけど、そこがいい。読み応えあるよ~!
挿まれるピサでのドタバタに和まされる。アンジェロ・・・よかったネ。




「君主論  まんがで読破」 マキァヴェッリ
 企画・漫画バラエティ・アートワークス イースト・プレス 2008年

君主論 (まんがで読破) いかにして権謀術数の書「君主論」は生まれたか、というマキァヴェッリの人生と彼の生きた時代について描かれる。簡潔でわかりやすく、おもしろい。

当時のイタリア、ひいてはヨーロッパ世界がどんな状況にあったのか、
どのようにしてマキァヴェッリはチェーザレ・ボルジアと出会ったのか、
なぜ残虐非道なチェーザレに理想の君主像を見たのか、
マキァヴェッリとチェーザレの理想とはどんなものだったのか、
・・・うまく構成されていて、読み手の興味をつきさせない。

チェーザレが副主人公のように登場しているので楽しい、というのもあるかもしれんけど。ミゲルも一瞬だけ出てるよ!

「君主論」の内容そのものについては、後半の20ページそこそこでしか触れられていない。しかし、どのようなものであるのかは、ちゃんと理解できる。

これを読んだあとなら講談社や岩波の「君主論」も難なく読めそう。




「神曲 まんがで読破」 ダンテ
 企画・漫画バラエティ・アートワークス イースト・プレス 2008年

神曲 (まんがで読破)   

 



「バビロンまで何マイル?」 川原泉 白泉社文庫 1997年

バビロンまで何マイル? 現実主義でファンタジー音痴の仁希(♀)と国籍不明の国際人悠理(♂)の幼なじみ2人が、ノームの小人にもらった指輪でタイムスリップを体験する。
最初のトリップは恐竜時代。ページ全体の5分の1強くらいで、こちらはプロローグ程度。2回目のトリップがルネサンス時代。チェーザレの元から逃れようとするルクレツィアのところへ舞い降りる。

1500年春(チェーザレがイモラ、フォルリを攻略して、ローマへ一時帰国している頃)から、ヴァティカンへの落雷、アルフォンソ殺害を経て、秋、ペーザロ出兵前日までを、2人はチェーザレやルクレツィアとともに過ごす。

史実を踏まえてはあるが、事実関係はかなり前後しているし、大筋は塩野版とサガン版からの抜粋、といった感じ。表現やセリフまでかぶっているところもあるし。

が、お話として、とても楽しい。孤独で寡黙なダークヒーロー風チェーザレはかっこいいし、悲劇のヒロインまっしぐらの可憐で痛々しいルクレツィアもいい。ダ・ヴィンチやジュリアーノ・デッラ・ローヴェレも登場し、ミゲル(ミケロット)も暗躍する。
(個人的にはこのミケロットの容貌がイマイチ好きじゃない・・・。チェーザレやルクレツィア、アルフォンソはとてもいいのに!)

恐竜時代にもルネサンスにも馴染んでしまう、マイペースで傍若無人な主人公たちの目線は、そのまま著者の視点でもあると思う。ユーモアと冷静のあいだにある独特な感性は、シリアスで血なまぐさいボルジア物語を、明るく楽しくわかりやすく演出する。




「妖女伝説 2」 星野之宣 集英社文庫 1998年

妖女伝説 (2) (集英社文庫―コミック版)




「花冠のマドンナ 1」 さいとうちほ 小学館文庫 2002年

花冠のマドンナ (1) (小学館文庫) 舞台は16世紀イタリア。
神が大地に刺したという宝剣「エメラルドの獅子」、それを抜いた者はイタリアの王になると言う。
伝説の剣の在り処を標すのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「花冠のマドンナ」。マドンナに瓜二つである少女レオノーラは、イタリアの覇権を狙う争いに巻き込まれていく・・・。

16世紀、ダ・ヴィンチ、イタリアの覇権ときて、チェーザレが登場しないわけがない。1巻の半ばから華々しく登場。ヒーロー役のナポリ王子ファルコよりも存在感がある。ドン・ミケロット(この作品ではミゲルという呼び名が似合わない気が・・・)も、もちろんチェーザレに付き従っている。

サライやラファエッロ、ルクレツィアも登場して物語は盛り上がる。歴史上のできごとや人物を、ストーリーにうまく絡めてある。
絵に描かれた謎が解かれ、ファルコはチェーザレの手にかかり・・・!?・・・以下次巻。

美人なだけでなく、剣の達人で行動力抜群のレオノーラ。
優しく誠実な、金髪碧眼の王子様ファルコ。
2人とも、融通の利かないまっすぐな性格で・・・苦手・・・。
少女漫画的すぎる恋愛模様、その描写・・・苦手・・・。
変な帽子のミケロット・・・苦手・・・。
・・・・・・ごめん。

ドラマティックな少女漫画が好きな方は、楽しく読めると思います・・・。
(いや、楽しくないわけじゃないんだけど・・・。)




「花冠のマドンナ 2」 さいとうちほ 小学館文庫 2002年

花冠のマドンナ (2) (小学館文庫) レオノーラとファルコは、ダ・ヴィンチに導かれ宝剣のもとへ。宝剣を抜き、「緑晶水」でペストの子どもを救ったレオノーラは、奇跡の乙女として人々に崇められるようになる。彼女はそれに応えようとして・・・。

宝剣にまつわるストーリーは、面白く読める。だけどやっぱり、そこに絡むレオノーラとファルコとチェーザレの恋愛模様が・・・うざい・・・。
チェーザレを憎みつつ、惹かれてしまっているレオノーラ。それに嫉妬するファルコ。
あ~、定石すぎてこっ恥ずかしい。キザなセリフをとうとうとしゃべるチェーザレも嫌。

そしてみんな感情が理屈っぽいの!だからイライラすんだ。
「好きだけど・・・こんなふうに抱かれるのはいやなの!!」って・・・いーじゃん、さっさとやれば!
なんだろ、私、乙女心が枯れてるの?全然彼らの恋を応援できない・・・。

優しいだけのお坊ちゃまだったファルコが、チェーザレへの対抗心から逞しく変わっていく様を温かく見守らんといかんのやろうけど、それもできない。男は「女」で成長するんじゃなくて「仕事」で伸びろ!




「花冠のマドンナ 3」 さいとうちほ 小学館文庫 2002年

ローヴェレ枢機卿が登場し、マジョーネの反乱が計画され、物語はスリリングに展開する。
しっかしやっぱり、チェーザレとファルコの間でうだうだしているレオノーラにイラっとする。
しかも、結局、チェーザレに・・・かよ。本人傷ついてるふうだけど、全然そのように見えん。

なんだろう、この反感。2人の男に求められてやまない美人さんへの嫉妬なの?私は心がせまいのか・・・。
いや、何べんも何べんも「押し倒されては事なきをえる」という事態のくり返しに辟易するんだよ。
「いや」と言いつつ嫌がってるように見えない女が、気持ち悪いの!
「私、こんなに不幸で・・・」って言っているが幸せ自慢にしか聞こえない、という話を聞いているよう。
そんな女は好かんのだ!

しかし、このじれったく2人の間で揺れる恋心が、読みどころの1つ。レオノーラに感情移入できさえすれば、気持ちよく読めるはず・・・。




「花冠のマドンナ 4」 さいとうちほ 小学館文庫

花冠のマドンナ (4) (小学館文庫) 最終巻。
チェーザレの魔の手から逃れ、ローヴェレの下へ身を寄せるレオノーラとファルコ。ナポリ王国復活を願うレオノーラは・・・。

あまりに強引な展開。レオノーラの心理を全く理解できない。その行為はファルコの力への不信でしかないじゃない。ファルコもそれを許すなよ~。
「宝剣を抜いた者はイタリアの王になる」という基本設定を回収するためだろうけど、あんまりじゃ・・・。

しかしまあ、劇的な展開ではあるので、おもしろく読めないことはない・・・かも。
ハーレクインロマンス的ドラマに耐えられる人は、いけると思う。

冷静に読むと「視野のせまい猪突猛進型の人間の、浅はかな行動の集積」にしか見えないが、それは裏返せば、「まっすぐな人間の、情熱的でドラマティックな物語」であるのだろう。

チェーザレの死をラストに持ってきた、余韻のある幕引きは好ましい。




「カンタレラ 1」 氷栗優 秋田書店 2001年

カンタレラ 1 (プリンセスコミックス) ロドリーゴ・ボルジアは自らの野望のために「魔」と契約、生まれてくる息子チェーザレを差し出した。生け贄となったチェーザレの周りには、常に禍々しい「気」が漂い・・・。
ルネサンスを舞台に描かれる、ファンタジー歴史ロマン。

1巻では1475年のチェーザレの出生から、1488年頃までが描かれる。
オリジナル設定をうまく史実に絡めてある。しかし歴史やボルジア家に詳しい人が読むと、つっこみどころの多さにウズウズすると思う。
細かいところに引っかかっていてはきりがないので、割りきって読むべき。「ボルジアをモチーフとしたフィクション」と思えば楽しめる!

と思ってても、マキァヴェッリとドン・ミケロットの設定にはかなりびっくり。ええ~!?

父の愛を欲する、健気な少年チェーザレが可愛い。
金髪碧眼のドン・ミケロット(キアロ)も悪くないね!
ホアンはルックスも悪いし根性曲がりの嫌なやつ。ここまでひどいホアンはそうない。
ルクレツィアはチェーザレラヴの可憐な少女。でもあんまり可愛くなくない・・・か?
ロドリーゴ・・・貫禄も色気もなさすぎ。

全巻を通して、カラーイラストが綺麗で素敵。




「カンタレラ 2」 氷栗優 秋田書店 2001年

出生の秘密を知ってしまったチェーザレ。
衝撃のあまりに橋から身を投げたチェーザレは、「魔」と交合することによって生きながらえる。
キアロ(ドン・ミケロット)はそんなチェーザレを放っておくことができず・・・。

物語は1488年頃から1493年まで進む。
ロドリーゴはアレクサンデル6世として教皇に選出され、
ルクレツィアとホフレの結婚が決まり、
チェーザレは枢機卿となる。

「魔」として生きることを拒めないのなら、運命を受け入れてすべてのものの覇者になると決意するチェーザレ。
痛々しさと強かさの入り混じるチェーザレが魅力的。

BL要素が次第に濃くなってくるので、苦手な方は要注意。




「カンタレラ 3」 氷栗優 秋田書店 2002年

カンタレラ 3 (プリンセスコミックス) [コミック] シャルル8世がイタリアへ侵攻。
混乱の中、チェーザレの最もよき理解者・守護者であったヴァノッツァが亡くなる。彼女の魂は「魔」の依り代となってしまい・・・。
ジェーム王子の死と、チェーザレのヴェレトリからの脱走まで話が進む。

ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ、あまりにも小物すぎる外見。
ジェーム王子は塩野版のイメージと重なる!と思う。
数コマだけだが、フィアンメッタの登場が嬉しい。ただの当て馬役だけど。

デッラ・ヴォルペのチェーザレへの尽くしぶりがすごい。ミゲルが2人いるみたい。
と言うより、本作での「忠臣」「片腕」の役割を担っているのはヴォルペの方。
ドン・ミケロット(キアロ)は、オリジナルな役を演じている。そこが読みどころのひとつでもある。




「カンタレラ 4」 氷栗優 秋田書店 2002年

チェーザレの発案により対フランスの神聖同盟が結成され、シャルル8世はイタリアを去る。
ホアンは教会軍を率いてオルシーニ家討伐へ。無能をさらす弟に、チェーザレは怒りを抑えられない。
そんな中、ルクレツィアは高まる想いをこらえきれずにチェーザレに告白、玉砕する。
チェーザレは「魔」に翻弄され、空疎のあまりにサンチャと関係し・・・。

ジャン・パオロ・バリオーニ、ゴンサロ・デ・コルドバが地味に登場し、サンチャ・ダラゴーナがにぎやかに登場する。
このサンチャ、好き。あけっぴろげで単純で可愛い。
ジョヴァンニ・スフォルツァに襲われてしまうルクレツィア。服、ビリビリ破かれてるのに乳首が隠されているのはなぜだ。不自然だ。
ルクレツィアはキアロ(ミケロット)に助けられ、2人は互いを意識しはじめる。




「カンタレラ 5」 氷栗優 秋田書店 2003年

チェーザレの気を引きたいサンチャはホアンに近づく。だしに使われたことを知ったホアンは、キアロ(ミケロット)を拉致、痛めつける。
キアロが死んだと勘違いしたチェーザレは、「魔」の力に飲み込まれ・・・。

チェーザレとホアンの確執はさまざまなボルジア本で描かれるが、ここまで険悪なものはそうないかも。兄弟なのに微塵の情愛も感じられない。
ホアンもひどいけど、チェーザレも冷たいよ・・・。

ホアン暗殺時に居合わせたという仮面の人物を・・・としたのはおもしろい。経緯がちゃんと描かれているから違和感もないし。
同様の推測をしているボルジア本があるが、それよりも説得力があった。創作の妙味か。

巻末のイタリア取材記が楽しい。もっと描いてほしかった!




「カンタレラ 6」 氷栗優 秋田書店 2003年

カンタレラ 6 (プリンセスコミックス) [コミック] チェーザレはホアンに命を狙われるが、逆にホアンを葬り去る。
しかしこの時キアロ(ミケロット)は負傷、ルクレツィアのこもる修道院へと逃げ込む。2人は心を通わせ愛し合うように。
「魔」を自らの体内に封じ込めたチェーザレ。しかしそれにはとてつもない精神力を必要とし・・・。

アルフォンソ・ダラゴーナが登場。
飄々としていて捉えどころのない性格は、アルフォンソのキャラとしてはちょっと新しい。
どっちかと言うとアルフォンソ・デステのイメージ。でも悪くない。

彼とルクレツィアの再婚話がまとまる。




「カンタレラ 7」 氷栗優 秋田書店 2003年

ルクレツィアとキアロ(ミケロット)の関係を知ってしまったチェーザレ。
ルクレツィアは幽閉され、キアロはローマから放逐される。
キアロに去られたチェーザレは、いよいよ「魔」に侵略されて・・・。

チェーザレ、キアロ、ルクレツィアの三角関係が読みどころになってくるが、今ひとつ乗れない・・・。
だってルクレツィアが可愛くないんだもん!あの前髪がまずダサすぎるよ。
兄からキアロへの心移りも簡単だし・・・。自分勝手でコドモすぎる!
ここにハマれたら、楽しさ倍増するだろうに!!ハマれない自分が残念。





「カンタレラ 8」 氷栗優 秋田書店 2004年

カンタレラ 8 (プリンセスコミックス) [コミック] ルクレツィアを連れて出奔したキアロ(ミケロット)。
アルフォンソ・ダラゴーナに匿われ、1度は追っ手から逃れるが、結局ヴォルペによって捕らわれてしまう。
ヴォルペはキアロを牢につなぎ拷問を繰り返す。
相当に痛めつけられているのに、顔はほぼ無傷のキアロ。さすが少女マンガ。
「魔」の力を抑制できなくなってきたチェーザレ。キアロを隔離しつつも、必死で彼の支えを求める・・・。




「カンタレラ 9」 氷栗優 秋田書店 2004年

カンタレラ 9 (プリンセスコミックス) [コミック] ルクレツィアはキアロ(ミケロット)の子どもを出産する。「光」を受け継いでいる赤子は、チェーザレの従者の手に預けられる。
傷つき右腕を失ったキアロは、マキァヴェッリの元に身を寄せ、活力を取り戻す。
ルクレツィアはアルフォンソ・ダラゴーナと再婚し、チェーザレが還俗する。

番外編「真珠貝の王女」を収録。50ページ。サンチャとアルフォンソの物語。
スピンオフされるだけあって、この作品のアラゴン姉弟はキャラが濃く、本筋への関わり具合も深い。

アルフォンソの末路がどのように描かれることになるのか、興味を引く。




「カンタレラ 10」 氷栗優 秋田書店 2005年

カンタレラ 10 (プリンセスコミックス) [コミック] 還俗しフランスに渡ったチェーザレは、ルイ12世の従妹シャルロットと結婚。ルイ王のミラノおよびナポリへの侵攻に協力することに。
身の危険を感じ始めたアルフォンソとサンチャは、ローマを離れる。夫と妻に去られたルクレツィアとホフレは、執政官としてスポレートへ。
一方、キアロ(ミケロット)はマキァヴェッリに伴われ、フォルリへ向かう。ディオニージ・ナルディに見込まれたキアロは傭兵として雇用されることになり・・・。

カテリーナ・スフォルツァが登場。イタリアの女傑はやっぱり美人。いいね!

ナルディは素敵なオジサマって感じ。
ルイ12世やカテリーナの息子オッタヴィアーノ、ナポリ王フェデリーコ1世など、脇の人々が意外とイメージに合っていて驚く。
レオナルド・ダ・ヴィンチも登場。いいね~!




「カンタレラ 11」 氷栗優 秋田書店 2009年

カンタレラ 11 (プリンセスコミックス) [コミック] 教皇領の統一に乗り出したチェーザレは、カテリーナ・スフォルツァの所領地イモラへと進攻する。
そこでチェーザレはキアロ(ミケロット)と再会し・・・。

巻の半分以上を使って描かれるチェーザレの初戦は、迫力があって読み応え充分。やっぱチェーザレは僧服より甲冑だよね!ポニーテールにしてるのがちょっと笑えるけど!
有名な逸話もちゃんと挿まれるし、1番楽しめる巻だったかも、私は。

チェーザレはローマへ凱旋帰国。ルクレツィアとの子どもの存在を知ったキアロも、ローマへ・・・。




「カンタレラ 12」 氷栗優 秋田書店 2010年

最終巻。
アルフォンソの計らいでキアロはルクレツィアと再会する。感謝の念でいっぱいのキアロは、立場の危うくなったアルフォンソを守ろうとする・・・。

脇役とは言え魅力的だったアルフォンソ。やはりあっさりと暗殺されることはなく、最期は・・・。
史実をなぞらえた上で、独自の物語が構築されている。上手い。
サンチャとアルフォンソの関係は、ルクレツィアとキアロよりも断然好き。だから良いと思えるのかな。
だけど、そこから一気に終焉に向かってしまうのはどうよ?
終わらせるために無理矢理まとめた感でいっぱい・・・。残念。
これしかないって言う終わり方ではあるんだけど、いくら何でも1500年で終わりって!

でもまあ、「本当はこの先も続いているのに」ということに目をつぶれば、物語としてちゃんと成立しているし、良作であると思う。

ラスト10ページで、1503年までの軌跡が描かれまとめられている。
表紙のチェーザレの顔、好き。髪の感じとかも。






DVDと映像

「THE BORGIA THE ORIGINAL CRIME FAMILY 愛と欲望の教皇一族 ファースト・シーズン 4枚組」NBCユニバーサル・エンターテイメント 2013年

2011年、アメリカとカナダで共同制作されたボルジアドラマ。全3シーズン。の、これはシーズン1。全9話。
ロドリーゴの教皇選出からシャルル8世がナポリに入るまで。

主人公は教皇アレクサンデル6世だがチェーザレ、ルクレツィアも負けずに活躍している。ホアンは少なめ。ホフレはほとんどいない。ミケロットも少なめ。ヴァノッツァとジュリア・ファルネーゼの出番が意外と多い。ヴァノッツァのキャラ…濃いわ〜こんな押しの強いヴァノッツァ初めて見たかも。

チェーザレがよく見たらイケメンです。他もみんなキレイ。ホアンのイメージが私はすごくあってると思った!チェーザレと兄弟ぽいし。ロドリーゴは華奢すぎるかな…でも悪くはない。
ミゲル…もといミケロットはイマイチか…でも許容範囲。チェーザレとの出会い方は…う〜ん…何でそんな忠誠心持ったのか謎。

シャルル8世と出会った後のルクレツィアが良いです。女性ならではの手管。単純なシャルルに効いてるの面白い。

ナポリ王フェランテの息子アルフォンソ、50歳近いはずなんだけどめっちゃ若い。サンチャの弟とごっちゃにされてる?

ツッコミどころはいっっっぱいあるけど、豪奢な画面、空気感、時代感が贅沢で良いです。
ラストのインタビューとNGシーンも良かった。普通にチェーザレたちの時代でもあんな風に馬が…!みたいなことってあったよね?

各話のあらすじがパッケージの中裏に書かれてるのですが、これはちょっと…見にくすぎ。別紙にできなかったのかな。




「THE BORGIA THE ORIGINAL CRIME FAMILY 愛と欲望の教皇一族 セカンド・シーズン 5枚組」NBCユニバーサル・エンターテイメント 2013年

2011年、アメリカとカナダの合作で作られたボルジアドラマ。全3シーズン。のシーズン2。全10話。
ルクレツィアの出産(インファンテ・ロマーノ。ルクレツィアの子設定なのね)からサヴォナローラの火刑まで。

シャルル8世…まだイタリアいるんだ長っ。
段々と話が錯綜して来た。
(以下内容に触れます。ネタバレ注意!)




ミケロットの出身がフォルリ(実際はスペイン)でお母さんが登場。ミゲルの親族初めて見た!新鮮!と喜んでたら、墓場でまっぱになって幼馴染の男とやり始めた。
…同性愛というキリスト教では認められない問題に切り込むのか?
この人色々わかってないからオリジナル設定付けやすいんかな。(惣領版ではユダヤ人だし川原版では刀傷で去勢されてた)

ジョヴァンニ・スフォルツァはチェーザレに殺され(実際は殺されない)、ホアンはフォルリを攻める(実際は攻めない)。
カテリーナ・スフォルツァの「子どもなどいくらでも産めるわ」ってセリフがここに持って来られてた。(実際は1488年フォルリ内乱でのエピソード)
何で時空捻れさせた?そんな使いたいエピソードだったんか?

ホアン殺害犯はチェーザレ(諸説あるが実際は殺してない説有力)。
チェーザレは最初からとにかく聖職が嫌で、ホアンの地位が欲しくて仕方ない設定。そのせいで兄弟対立して悲しい。
このホアンはあまり無能感なくて私は好き。チェーザレの方が小物感あるような…。(多分チェーザレへの期待値が高いせい)

サヴォナローラはローマで火刑。(実際はフィレンツェ)
アレクサンデル6世の前で死なせたかったんかな。

…突っ込んでたらキリがない。でも突っ込みたくなるよー!史実とは違うけど面白い!ってならないんだもん。は?何でそうなる?感のが強すぎる。

ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレの刺客によりアレクサンデル6世倒れる。(倒れない。)
…どうなるのシーズン3!?ってなるので、引きは上手。

特典の「毒薬とは」で、ヒ素の歴史の研究者が「ボルジアの毒薬はヒ素。ヒ素は鉱物から簡単に採れるのでこれで毒殺してた」と言い切ってた。
…世界から反論はないのかな!?




「THE BORGIA THE ORIGINAL CRIME FAMILY 愛と欲望の教皇一族 ファイナル・シーズン 5枚組」NBCユニバーサル・エンターテイメント 2013年

2011年、アメリカとカナダの合作で作られたボルジアドラマ。全3シーズン。のファイナル。全10話。

上のシーズン2のレヴューでイヤラしく突っ込んで揚げ足とりまくってますが(すみません)、これはそういう見方をしてはダメですね…ファイナルまで来てやっとわかった。楽しい見方が。
史実を頭に浮かべちゃダメです。違いすぎるから。
ボルジア家の、お金かけて作った壮大な二次創作と思って観れば楽しいです。(嫌味ではありません)
話なんて創作してナンボですよ!

カテリーナ・スフォルツァはラスボス。
カテリーナだけじゃなくルクレツィア、ジュリア、ヴァノッツァら女性陣が強かに描かれてるのよかった。ルクレツィア、特に優秀だった。彼女いないとパパ死んでたし。なのに失敗もするとこいい。かわいい。

ジャンパオロ・バリオーニやパオロ・オルシーニ、ヴィテロッツォ・ヴィテッリが登場するのもよかった。

ミケロットの設定もビックリしたけど良い展開につながってたと思う。フォルリ出身設定が最後活きてたのはすごくよかった。
ヒゲ伸びてきたシーズン2からルックスもけっこう好き。ミッション・インポッシブルに出てあるようなので観たくなった。(ショーン・ハリスという方)

アレクサンデル6世とチェーザレの父子関係も、対立してたヴァージョンが見られてよかった。

ボルジア家物語として史実を織り込みながら上手くまとめてると思う。
しかしやっぱりこんな中途半端なとこで終わりか…というガッカリ感はどうしても残る。
あとさ、ホフレとサンチャ、どこ行った!?

特典の当時の食卓の話よかった。こういうのもっと見たい。
付属してるリーフレットの用語解説、教皇暗殺未遂事件のとこ、「チェーザレに暗殺されたパンドルフォの息子」とありますが、暗殺されてないです。






「Borgia Faith and Fear ボルジア 欲望の系譜 シーズン1」Canal+ (Atlantique Productions) 2013年

2011年にフランスとドイツで共同制作されたボルジアドラマ。全3シーズン。のシーズン1。全12話。
1492年3月ロドリーゴの教皇選出前、チェーザレがまだピサにいる時から、1497年ホアンの死まで。

ホアンがチェーザレの兄!ホアン兄説とってるのかなり珍しい。ホアンの代名詞?である華美な軽薄さは全くなく、チェーザレよりできる感じさえする。外見も中身も長兄のペドロ・ルイスっぽい。
そしてチェーザレが…めっちゃ…小物臭…。嫉妬心の強い悩み多き繊細くんで、なんと鞭打ち苦行なんかしてる。誰だお前!!?

チェーザレのそばにいる耳の立ってる友人がミゲルなのかと思ってたら、枢機卿になると言う。え!?誰?フランチェスコ・レモリーネス!?若すぎない!?と思ったら、アレッサンドロ・ファルネーゼだった!!新鮮すぎ。

ロドリーゴがチェーザレたちにけっこう厳しい。教皇になるまで父と呼ばせてないし。顔つきも厳しい。目から上の部分がえらく狭くてキャラデザ荒川弘って感じ。

ルクレツィアはピントリッキオの描いた聖カタリナに似てる。
ジョヴァンニ・スフォルツァはイケメン設定。そしてルクレツィアと睦まじくしてる。これも珍しい〜
ジュリア・ファルネーゼはやっぱりできる怖い美女。
ジョヴァンニ・デ・メディチはゲーム・オブ・スローンズのサム!

教皇選出前なのにチェーザレは18歳でヴァレンシア大司教だったり、フィアンメッタと息子作ったり、その息子を……したり、捕虜になってまあ大変だったり、オルシーノは……したり、ミゲルは……あの人だったり、ホアン暗殺犯は……だったり、色々トンデモ設定や展開はあるけど、アガピート・ゲラルディーニやヴィルジニオ・オルシーニ、ファブリツィオ・コロンナ、マリア・エンリケスなどマニアックなキャラが登場して楽しいです。
チェーザレを……するマルコアントニオ・コロンナとか誰かわかんなかったよ!(ファブリツィオの甥だって。ドラマでの設定は)(実際はプロスペロ・コロンナの甥。ファブリツィオから見ると従兄弟の甥)マニアック!

トンデモ脚色は多いけど、色々細かく史実を盛り込んであるので嬉しい。
しかしもう少し「あったかもしれない」と思える展開だったら、こういう解釈もアリか〜となって良かったのにな…。




「Los Borgia Intrigas en el Vaticao」 Various Directors DistriMax Inc. 2006年

Los Borgia

2006年のスペイン映画。副題は「ヴァティカンの陰謀」。
セリフはスペイン語で字幕は英語。他の言語への変換はできない。143分。

チェーザレが、ユリウス2世に見送られてヴァティカンを出発するところから、物語ははじまる。
ゴンサロ・ダ・コルドバに捕縛され、
(ここでミゲルがその様子を物陰から窺ってるんだけど・・・ミゲルはつまりチェーザレを裏切ったのか・・・ものすごく辛そうな顔はしてるけど・・・。)
「俺を誰だと思っている!?チェーザレ・ボルジアだぞ!」「チェーザレ・ボルジアだぞ!!」
と叫ぶ声を遠景にして、時間は12年前に遡る。

ロドリーゴの教皇選出、ルクレツィアの最初の結婚、サンチャの登場、ホアンの進軍、ルクレツィアと従者ペロット、ホアンの暗殺、ルクレツィアの2度目の結婚、を経て、チェーザレが還俗する。
シャルル8世のイタリア侵攻は省略されている。チェーザレのフランス行きと結婚も省略されている。

カテリーナ・スフォルツァが登場し、チェーザレの愛人になり
(ボルジア家の狂宴で、アレクサンデルとともにチェーザレの隣に座っている。2人で食事もしている。ベッドシーンはない。)、
アルフォンソ・ダラゴーナが暗殺され、マジョーネの反乱があっという間に終わり、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレがワインに仕込ませた毒で、アレクサンデルが死亡し、チェーザレは捕縛される。

3年後に飛び、チェーザレ脱走、しかしアルフォンソ・デステは援助をする気が全くなく、ルクレツィアの、「イタリアの誰もがあなたの帰りを待っていない」との冷たい手紙で、チェーザレは自殺同然の死をとげる。

パッケージのあらすじを訳すると、
「ホアンとチェーザレ、ホフレ。ロドリーゴ・ボルジアの3人の息子たちは、新教皇選出の行われているヴァティカンへ向かっていた。
到着した彼らは、父ロドリーゴがアレクサンデル6世として登位したことを知る。
新教皇はあらゆる手段を講じて、ヴァティカンの権力拡大を行おうとする。
しかし、ボルジア家に敵対する輩がボルジアの野望を阻止すべくあらゆる機会を狙うように、兄弟同士も、闘争心をむき出しにして争っていた。」

ホアンの名が筆頭にあるし、冒頭に喧嘩っ早いチェーザレをホアンが止めるシーンがあるので、ホアン長兄の設定?と思ったが、チェーザレの「I'm the firstborn.」というセリフがあった。(ロドリーゴに「僧職は嫌だ」と言うシーン。(1494年の時点))

ロドリーゴの教皇選出からチェーザレの死までを、「ボルジア家物語」として、うまくまとめてある。が、「チェーザレ物語」と思うと、全然ものたりない。すべてがあっという間にさらっと終わってしまい、見どころが何もない。
ルクレツィアとの兄妹愛、として見ると、少しせつなくはあるかも。無邪気だったルクレツィアが、笑わなくなっていくのが悲しい。

  • チェーザレ・ボルジア Sergio Peris-Mencheta
    小さい・・・。パッと見、ホアンの口元くらいまでの身長。鼻でかい、鼻の穴もでかい。この顔をかっこいいと言う人もいるかもしれないけど・・・私はヤだ。・・・・・・。
  • アレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア) Lluiacutes Homar
    素敵なオジサマって感じ。いい顔。いい笑顔。
  • ルクレツィア・ボルジア Mariacutea Valverde
    可愛いんだけど、アメリカのティーンエイジャーみたいに、体も顔もパンパンしてる。
  • ミゲル・ダ・コレッラ Antonio Dechent
    坊主でごつい・・・。が、チェーザレの行くところ、どこにも一緒にいる。いいね。
    チェーザレが還俗し、公爵となった時、
    「シニョール(ご主人様)(My Lord)」
    と呼びかけていて、それに対してチェーザレが、
    「ご主人?私は、おまえの前では常にチェーザレだ。
    (Lord ? I will always be Cesar to you, my friend.)」
    と言っていたのがよかった。
    (脳内で惣領版に変換したい。)
    なのに!なんでチェーザレ逮捕の時、見放してんだ!!

その他の登場人物は、

  • ホアン・ボルジア Sergio Muniz
    きれいな顔。さすがホアン。しかし、チェーザレに比べれば、アルフォンソ・ダラゴーナはもちろん、ジョヴァンニ・スフォルツァもイル・ペロットもみんなかっこいい。
    チェーザレとミゲルが1番不細工と言っても過言ではない。(過言か?)
  • ジュリア・ファルネーゼ Katy Louise Saunders
    美人。ロドリーゴとベッドにいると、幼さが際立ってた。
  • サンチャ・ダラゴーナ Linda Batista
    魔女みたいな顔。決してきれいではないと思う。怖い。おっぱいは(というか体は)きれい。ルクレツィアやジュリアのヌードは出ないけど、この人は数回出してた。
  • ヴァノッツァ・カッタネイ Angela Molina
    痩せすぎ。だから薄幸そうに見える。
    ルクレツィアはヴァティカンではなく、ヴァノッツァとともに暮らしているっぽかった。だからか、わりと登場する。
  • ブルカルド Roberto Alvarez
    教皇庁書記官。チェーザレにおけるミゲルのように、アレクサンデルの側にいて、けっこう目立っていた。カテリーナ・スフォルツァの毒じかけ手紙からアレクサンデルを守るし、襲われたアルフォンソ・ダラゴーナからルクレツィアを遠ざけるのも彼だ。
  • カテリーナ・スフォルツァ Paz Vega
    美人。でも女傑!という感じはあまりしない。
  • ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ Eusebio Poncela
    痩せていて迫力がない。ロドリーゴの方が断然にいい。


アメリカのAmazonで購入できます。がRegion Freeのプレイヤーでないと再生できません。




「ボルジア家の毒薬」 ジュネス企画  1952年

Los Borgia

1952年のフランスとイタリアの合作映画。言語はフランス語。だからチェーザレはセザール、ルクレツィアはリュクレス。ミケロットはミケレット。
原題は「Lucrèce Borgia」で主人公はルクレツィア。アルフォンソ・ダラゴーナとの出会いから別れまで、チェーザレに翻弄されながらも愛を模索する姿を描く。

キャストが…みんな10歳は老けて見える…。ルクレツィアもアルフォンソも出会った時10代なのに30代にしか見えん。調べたら実際その年齢の役者さんが演じてた(ルクレツィア33歳、チェーザレ40歳)。(でもチェーザレ役の横顔は肖像画のシルエットに似てはいる。たまたまかな?)

チェーザレは暴虐で品のない成り上がり君主、ルクレツィアは美しく善良ではあるがちょっと足りない女として描かれてる。はっきり言って観るのがつらい。筋も面白くないし…。猟犬が走るどうでもいいシーンとか何であんな長いの?
衣装もルネサンス期のものじゃないし、サンタンジェロの遠景は絵…?

兄に徹底的に利用された悲しい女としてのルクレツィアを描きたかったんだろうけど、女って何より愛する男が必要だよね的描き方が、当時の女性に対する偏見にも思えて嫌。

Amazonのprime videoで観られる。






「Cesare Borgia」 Pino Mercanti Colosseo Film 1962年

Cesare Borgia

1962年のスペイン、イタリアの合作映画。原題は「IL DUCA NERO」(黒い公爵)。
セリフはドイツ語、スペイン語、イタリア語、英語を選択できる。字幕は全くなし。99分。

チェーザレ・ボルジアは教皇領のほとんど全てを掌握するが、唯一カテリーナ・スフォルツァの支配するフォルリだけは落とすことができないでいる。
そんな中、反チェーザレの面々が集まり陰謀を企てる。彼らは「赤いカーネーション」を目印として、赤いマスク(初期のKKKの赤版みたいなやつ)をかぶり、互いに素性がわからないようにしている。
「赤いカーネーション」は、チェーザレ暗殺のため、美女ジネーブラを送りこむ。
敵の刺客とは知らず、ジネーブラと恋に落ちるチェーザレ。ジネーブラの方も、本気でチェーザレを愛してしまう。
彼女はチェーザレへの愛を証明するために、自ら毒入りのワインを飲み干す。
チェーザレは、毒入りのワインで死亡したのは自分であるという話を広める。敵を安心させ、「赤いカーネーション」の首謀者をいぶり出すためである。
意外な人物が暴き出され、戦いの終幕は、フォルリの城塞で切って落とされる・・・。

  • チェーザレ・ボルジア Cameron Mitchell
    この人も「Los Borgia」のSergio Peris-Menchetaに劣らず小さい・・・。
    なんで?もっとスラッとした人を採用しようよ!
    笑い方が下品で意地の悪い感じ。髪型が変。「99」の岡村隆史みたい。
  • カテリーナ・スフォルツァ Gloria Milland
    美人。白いドレスがよく似合う。「Los Borgia」のPaz Vegaと印象が似ているように思う。
    ラスト、城塞での決戦時には「リボンの騎士」のような格好をしてた。
  • ルクレツィア・ボルジア Gloria Osuna
    きつい顔。美人だけど。性格もきつめ。弱々しく可憐なお人形でなく、盲目的に兄を慕ってる感もない。強引な兄にしかたなく追従している。
  • ジネーブラ Maria Grazia Spina
    黒髪の美女。スペイン人ぽい容貌だと思う。3人の女性の中では1番幼く見える。
  • リカルド・ブランカレオーネ Conrado San Martín
    チェーザレの側近。この物語では彼がミゲルの位置にいる。だけど・・・。

「Los Borgia」はチェーザレを主人公としたボルジア家年代記であるが、これは完全にオリジナルなチェーザレ物語。
アレクサンデルもホアンもホフレも出てこない。ミゲルもいない。つまらん。ジネーブラって誰だ!?って感じだし。
チェーザレがもっとかっこよければ、楽しめるかもしれないんだけど・・・。物語自体はそんなに悪くはないと思うから。
あと、英語字幕でいいから、ついていれば!!

音楽が古臭く、昔の西部劇みたい。映像はわりときれい。暗い場面は見にくいけども。
女性の衣装や装飾品が美しい。男性の着ている服は、惣領版「チェーザレ」でスペイン団の着ているものに似ていると思う。特に襟元と袖口が。
チェーザレ軍の紋章がヘン。太陽みたいなやつの中に、牛がでんと描かれているだけ。
殺陣のシーンは迫力がなく下手だと思う・・・。


ドイツのAmazonで購入できます。(というよりなぜかドイツのAmazonでしか見つけられない。)
Region Freeのプレイヤーでないと再生できません。




「バチカン 超時空の聖都市」 Discovery Channel 角川書店 2005年

ディスカバリーチャンネル バチカン 超時空の聖都市 50分。
教皇ヨハネ・パウロ2世が在位中だった頃に撮影されたもの。しかしそのくらいの古さは、時の止まったような超時空の都市ヴァティカンにおいては、ほとんど影響していない。

独立国家でありながらカトリックの総本山であるヴァティカン、
美術品の製作と修復、
列聖の儀式、
ガリレオの裁判記録やヘンリー8世の書簡をも保管する資料室、

助祭の叙階儀式、
現代科学と共存する姿勢、
など多方面から聖都市の素顔にせまっている。

瞠目すべきは、一瞬だけボルジアの間の修復場面が映されていること!ロドリーゴ・ボルジアについても、少し言及される。うれしい!しかし全然良く言われていない!

一般には開放されない場所が多く紹介されるので、一見の価値はあると思う。




「コンクラーベ 天使と悪魔」 クリストフ・スクルーイ監督 Happinet 2006年

コンクラーベ 天使と悪魔 [DVD]2006年のカナダ映画。99分。映像特典でオリジナル予告編が1分。
カリストゥス3世の次代教皇ピウス2世。彼は詩人としても有名な人文主義者で、自身の選出されたコンクラーヴェの経緯を、日誌として記していた。その記録を元にして作られた、1458年のコンクラーヴェ物語。

主人公は27歳の若きロドリーゴ・ボルジア。
彼は伯父カリストゥス3世の寵愛を受け、教皇庁財務部副院長(教皇庁尚書院副尚書)の地位にあった。
しかし教皇は崩御。後ろ盾を失くしたロドリーゴの未来には、暗雲が立ちこめる。命運を左右するのは、新教皇となる者。彼は意を決して、コンクラーヴェに臨む・・・。

マリオン・ジョンソン「ボルジア家」の74ページから84ページまでのできごとを、映像化した感じ。ピウス2世の日誌という、同じ資料を基にしてあるからか。便所を内談の場にしているところまで、共通していておもしろい。本当にそうだったってことかー。(これはどうやらフィクションだったらしいです)

副尚書がコンクラーヴェの議長を兼ねることになっていたり、と過誤も見られるが、コンクラーヴェという秘密めいた儀式の雰囲気はしっかり味わえる。
神の代理人を選ぶという崇高な行為の中に渦巻く、さまざまな思惑、どす黒い野望。なかなかに興味深い。

が、主人公はロドリーゴのはずなのに、教皇の座を争うエストゥトヴィルとピッコローミニのキャラが濃すぎて、彼の存在は薄い。容貌も華奢すぎて全く威厳がないし。青春映画の主人公なら似合うけど・・・という感じ。
ナポリ支配をスペインに・・・と画策してはいるけど、たいした交渉力とは思えない。残念。
ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレは、若い頃はこんなんだったかも・・・と思わせる容姿。
ヴァノッツァは若い黒髪の美女で好印象。が、ロドリーゴとの出会いはまだ先のはず。しかも、あんたなんで、ジュリアーノと・・・。

冒頭、ヴァノッツァと座位でやってるロドリーゴのところへ、カリストゥス3世危篤の報を持って来たのがジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ・・・というのが笑えた。ジュリアーノ、使いっぱかよ!

  • ロドリーゴ・ボルジア Manu Fullola
  • アエネアス・ピッコローミニ Brian Blessed
  • ギョーム・デストゥトヴィル James Forkner
  • ラティーノ・オルシーニ peter guiness
  • ヴァノッツァ・カッタネイ Nora Tschirner
  • ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレ Matthias Koeberlin

セリフは英語と日本語。字幕は日本語のみ。




「女王ファナ」 ヴィセンテ・アランダ監督 販売元-角川書店 2004年

女王フアナ [DVD] 2001年のスペイン、イタリア、ポルトガルの合作映画。114分。原題は「Juana la Loca」(狂女ファナ)。チェーザレの時代のスペイン両王(アラゴンのフェルナンドとカスティーリャのイサベル)の次女、ファナの物語。
1496年、ファナはハプスブルク家のオーストリア大公、フェリペ(フィリップ)の元へ嫁ぐ。それは政略結婚であったが、フアナは「美公」とも呼ばれた魅力的な夫を、熱烈に愛するようになる。
しかし、その情熱的に過ぎる愛は、彼女の嫉妬と独占欲を狂的に駆り立て・・・。
ラヴロマンス歴史劇。

画面が美しくて素敵。
当時の絵画を資料としてセットや衣装を忠実に再現しただけでなく、レオン大聖堂などの歴史的建造物を舞台にして、撮影したらしい。
どうりで!本当に見応えがある。うっとりする。ファナもフェリペも、美女、美男だし。

女王として国を治めることよりも、夫の気もちを掴むことに汲々とし、気性の激しさも手伝って奇行に走ってしまうファナ。
彼女は医学的な意味では正気であったかもしれないが、愛に狂っていたことに間違いはないだろう。
何だか「ベティ・ブルー」を思い出させる内容だった。強すぎる想いは、人を壊す。
ファナの幼なじみアルバロが好き。せつなくていい。当て馬にされるシーン、何度も観たくなるよ。


スペインに移送されたチェーザレは、1505年、メディナ・デル・カンポのモタ城に幽閉される。
そこはファナとフェリペ、彼らの息子である将来のカルロス1世(カール5世)が暮らしていた、カスティーリャの王宮でもあった。
チェーザレは登場しないけれど、彼の時代の空気を、大いに感じることができる。




「レオナルド~知られざる天才の肖像~」 Prime Video 2021年

Leonard

プライムビデオにあるレオナルド・ダ・ヴィンチを主人公にしたドラマ。全8話。
1506年、殺人の容疑で投獄されているレオナルド。彼は取調官ステファノに、自らの過去を語り出す…。

よくできたフィクション!
レオナルドが繊細で悩み多くてウジウジしているので、途中イライラするとこも多かったけど、なぜ彼には女性の影が見られなかったのか、なぜあの名画は失われたのか、上手く理由づけて作ってある。面白い。

天才然としていない等身大の青年レオナルドは新鮮。サライはモデルと言われてる「洗礼者ヨハネ」に寄せてるよね?似てる。大人すぎるけど…

チェーザレとミケランジェロは同い年なんだけど、外見に差ありすぎ!雇用主と後輩の若造と立場違うから差異を出したかったのかな?チェーザレは若き君主っすよ!
(ちなみにチェーザレはエピソード5の終わりとエピソード6に登場。)

フランチェスコはあのフランチェスコになるのかな…?きっと断定せずとも匂わせたくてその名前なんだよね?ニクイなーー。

字幕が途中放棄されたように空欄があったりするので、多少気になる。見にくいってほどでもないけど、どうしてちゃんとしてくれないんだろ。

(後日追記: レオナルドの手記に「1493年7月16日、カテリーナ来訪」とあり、1年後カテリーナ葬儀費用について書かれているらしい。カテリーナはレオナルドの母親説が有力のようだけど、この手記も上手く物語組み込まれていた!むしろここから発想を得た可能性も?あるかも!)






「最後の騎士マクシミリアン 権力と愛の物語」 Prime Video 2021年

Maximillian & Marie De Bourgogne

チェーザレの時代のローマ王マクシミリアン。(ハプスブルク家興盛の礎となる人物)
彼の青年期(マリー・ド・ブルゴーニュと結婚してブルゴーニュ公になる前後)を描く。44分-49分×全6話。

マリー側の描写が多くて、「マクシミリアン」と言うより「マクシミリアンとマリー」って感じだな〜と思ってたら、原題「Maximillian & Marie De Bourgogne」だもん。なぜ変えた。

シャルル突進公が戦死し、残された一人娘としてブルゴーニュ公国を継いだマリー。しかし宿敵フランス王ルイ11世はあの手この手でマリーを追い詰める。マリーはやむにやまれず神聖ローマ皇帝の息子マクシミリアンに助けを求める。自らと公国を差し出して。

敵国フランスとフランスに与する商人たちの議会がわかりやすく悪く描かれるので、素直に主人公側を応援したくなる。
神聖ローマ皇帝って言ったらめっちゃ強そうだけど田舎の貧乏国、マクシミリアンは金も兵も権力も持ってない。対してブルゴーニュ公国は女公だからって舐められてるけど、毛織物産業で潤っているお金持ち国。二人が結びつき、無いものを互いに補って、フランスを撃退しようと奮闘するのは気持ちがいい。

子どものシャルル8世(肖像画に似てる!子どもなのに)やその姉たち(シャルル8世の摂政を務めたアンヌ、ルイ12世に離婚されるジャンヌ)も登場するので楽しい。
あと主人公カップルの長男フィリップも。あのフィリップ美公だよ〜この父にこの母ならそりゃ美形だわ!

そして!マクシミリアンにもチェーザレにとってのミゲルみたいな人がいたのね!!幼馴染で忠臣のプールヘム。調べたらヴォルフガング・フォン・ポルハイム(Wolfgang von Polheim)って人だった。
彼は生涯マクシミリアンに仕え、相談役であり、親密で信頼できる友人であり続けたんだって。いいね!!

マリーの方も父の先妻である義母マルグリットがいい人で、義理の母娘なのに信頼し合っていて、いい関係で微笑ましかった。

マクシミリアンとマリー、チェーザレの時代の人ではあるけど、絡みないからってスルーしてたのもったいなかったかも。俄然興味が湧いた!






ボルジア家

→ ボルジア家


その他の人々

→ その他の人々


時代背景・地域・美術

→ 時代背景・地域・美術




イタリア語版「チェーザレ」の購入法

いろいろな方法があると思いますが、手軽でお勧めなものを紹介します。

Internet Bookshop Italia

「Internet Bookshop Italia」(ibs)は、イタリア最大のオンライン・ブックショップです。
イタリアで「電子商取引部門 最優秀サイト」に選ばれたこともあり、信頼できるネットショップだと思います。


Amazon.it

長年「Amazon」のなかったイタリアですが、2010年11月、やっと開設されました!
日本でお馴染みなので、安心して利用できると思います。

  • Amazon.it
    タイトルの「Cesare」で検索するとたくさんヒットして見つけにくいので、著者名の「Fuyumi Soryo」で検索するといいです。
    「Mars」や「ES」などの他作品とともに「チェーザレ 破壊の創造者」(Cesare. Il creatore che ha distrutto)が出てきます。

注文の仕方は日本のアマゾンと同じです。
イタリア語表記が難しくても、勘で進められると思います。

ただ!
「現在お取り扱いできません」(Attualmente non disponibile. )となっていることが多いです。
しかしその場合でも、
「ご注文いただいた場合、配送可能な時期をメールにてお知らせします」(Se ordini adesso riceverai un'e-mail con la data di consegna prevista, non appena avremo maggiori informazioni.)
と表記されているので、気長に待ってれば大丈夫でしょう!









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