ファエンツァFaenza
ファエンツァ Faenza
鉄道で、ボローニャから40分弱。
(ボローニャまで、
ミラノから約1時間20分〜1時間50分。
フィレンツェから約1時間。
ローマから約2時間半。)
駅から街の中心ポポロ広場まで、徒歩で約15分。
見どころは少なく、集中しているので、歩いてまわれます。
が、ブリジゲッラの城塞まで行こうとすると、けっこう大変かも。便が悪いし。
陶器の街として有名で、多くの工房や工場と、世界最大規模の国際陶器博物館があります。
7月には、パリオが行われています。
イモラとフォルリの間にある小国。
15歳の少年領主、アストーレ・マンフレディの所領。
民衆はアストーレに同情と好意を抱いており、1500年11月のチェーザレの進攻に対し、必死の抵抗を見せる。
戦いは持久戦となり、1501年4月まで続く。
アストーレの自由と安全の保証と引き換えに、ファエンツァは降伏するが、1502年6月、アストーレは殺害され、遺体はテヴェレ河に捨てられた。
ミゲル・ダ・コレッラの手にかかったと言われている。
- ファエンツァ市民病院 - ファエンツァの城塞があったところ
- 大聖堂 -
- 国際陶磁器博物館 -
- 市立絵画館 -
※写真にマウスを置くと、多少の説明が出ます
ファエンツァ市民病院(Ospedale di Faenza)
1500年から1501年にかけて、アストーレ・マンフレディが籠城し、チェーザレが攻めた城塞があったところ。
城塞は現存しておらず、今は市民病院になっている。
下の画像は1631年に描かれた都市計画図を見て、1850年頃に描かれたファエンツァの城塞。
ブリジゲッラにマンフレディの城塞があって、そちらをマンフレディとチェーザレの攻防戦の行われた城塞であるとしているものも見られるが、正しくはこちら。
この攻防戦で、城塞は1660発もの砲撃を受け、天守閣はほぼ真っ二つになり橋は倒壊したと言う。
また1503年にはヴェネツィア軍にも砲撃された。
1526年、教皇クレメンス7世の下で城塞を再建し強化する案が提出され、実際に着工される。
が、工事は遅々として進まず、17世紀にまで持ち越される。城塞はほぼ廃墟のような状態になり、貧民の住処になっていたよう。
その頃になると、もうすでに城塞の軍事的重要性は失われており、1747年、ファエンツァ市議会は城塞の取り壊しを決議する。
1748年、教皇の同意が署名され、1753年、城塞の取り壊しが始まり、翌年5月に完了した。
そして同年、病院の建築が始められた。
城塞の基礎はそのまま利用され、今も地下に残っている。
また、南西にあった塔の基部とソッコローソ門(Porta del Soccorso)と外壁の一部が、放射線科のある棟から見ることができるらしい。
市立絵画館では、ラモロ・リヴェラーニ(Romolo Liverani)とジャコモ・カルツィ(Giacomo Calzi)の描いた、城塞の素描や水彩画が見られる。
上記の画像はマンフレディ図書館(Biblioteca Comunale Manfrediana)所蔵。ラモロ・リヴェラーニの作品。
大聖堂(Cathedral)
街の中心ポポロ広場のすぐ北にある大聖堂。
初期ルネッサンス様式。ファサードは未完成のまま。
1476年にベネデット・ダ・マイアーノ(Benedetto da Maiano)によって作られた、祭壇の左手にある「St Savinus」の墓が有名であるよう。
1502年8月頃、ロマーニャをまわっていたレオナルド・ダ・ヴィンチはファエンツァにも寄ったらしく、この大聖堂をスケッチしたものが残っている。
ポデスタ館(Palazzo del Podesta)、市庁舎(Municipio)、ポポロ広場(Piazza del Popolo)
駅からまっすぐに伸びる道を、マッツィーニ通り(Corso Mazzini)で左折すると、正面にポデスタ館の塔が見えてくる。(右の写真)
1256年に建築された領主の館。マンフレディ家もここに住んでいた。(左上の写真)
このポデスタ館の向かって左隣に大聖堂がある。
その向かい側にあるのが市庁舎。(右上の写真)これも同時期に建築。
どちらも18世紀と20世紀に改築が行われている。
2つの建物に囲まれた、細長い広場が、街の中心のポポロ広場である。
マンフレディ邸(Palazzo di Manfredi)とマンフレディ通り(Via Manfredi)
ポポロ広場の東の、なんということのない路地だが、マンフレディの名の冠された通り。
パネルには「14 - 15世紀のファエンツァのシニョーリ(支配者、統治者)」とある。
このパネルの貼ってあるレンガ造りの屋敷が、アストーレ・マンフレディの暮らしていたところ。
18世紀からマンフレディ図書館(Biblioteca Comunale Manfrediana)として利用されている。
国際陶器博物館(Museo Internazionale delle Ceramiche)
世界有数の陶器博物館。
時代ごとのファエンツァの陶器、時代別地域別のイタリアの陶器、世界各地の陶器、現代の陶芸家の作品などが展示されている。
ルネッサンス期イタリアのマヨルカ焼、トルコの珪土陶器、中国の磁器、コロンブスの新大陸到達以前のアメリカ文明の陶器、ファエンツァ地方の前史時代住居から発掘された陶器、アメリカ、アジア、アフリカ民族の民俗学的出土品・・・など。
しっかり見ようとすると2時間はかかるかも。
駅前から伸びるまっすぐな道を、5分弱歩くと、左手にある。
- 開館時間
冬季(11月 - 3月)
火曜 - 木曜=9:00 - 13:30
金曜、土曜、祝日=9:30 - 17:30
夏季(4月 - 10月)
火曜 - 日曜、祝日=9:30 - 19:00
休館=月曜、1月1日、5月1日、8月15日、12月25日
- Museo Internazionale delle Ceramiche
英語、フランス語、ドイツ語でも見られます。
市立絵画館(Pinacoteca Comunale)
エミーリア・ロマーニャ州の中で、最も古い絵画館のひとつ。
1797年、ジュゼッペ・ザウリのコレクションを、ファエンツァ市が買い取ったことにより収集が始まり、ナポレオン支配下で破壊された教会や修道院の作品が集められて、膨大となったコレクションを、1879年、一般に公開するようになった。
ローマ時代の彫刻から現代美術まで所蔵。
ドナッテッロやビアッジョ・ダントーニオ、ロマーニャの無名作家たちの作品など、ルネッサンス期の作品も多い。
また、現存していないファエンツァの城塞(アストーレ・マンフレディが籠城しチェーザレが攻めた城塞)を描いた素描や水彩画が見られる。
(ラモロ・リヴェラーニ(Romolo Liverani)とジャコモ・カルツィ(Giacomo Calzi)の作品。)
- 開館時間
冬季(10月 - 5月)
土曜、日曜 =10:00 - 18:00
夏季(6月 - 9月)
土曜、日曜=10:00 - 13:00 / 15:00 - 19:00
- Pinacoteca Comunale
イタリア語でしか見られません。