チェーザレ・ボルジアについて、とりとめのないけれど愛に満ちた探究心を発揮するサイトです。

ヴァレンシアValencia

ヴァレンシア Valencia

ヴァレンシア北駅。

スペイン国鉄(RENFE)の高速列車「AVE(アヴェ)(Alta Velocidad Espanola)」で、
バルセロナから約3時間。
マドリードから約1時間40分。



  • ボルジア宮 -
  • ボルジア通り - ボルハ通り
  • ヴァレンシア大聖堂 -
  • ヴァレンシア美術館 -
  • パトリアルカ修道院 - 聖体修道院、教会、美術館
  • ラ・ロンハ -


※写真にマウスを置くと、多少の説明が出ます。

ボルジア宮(Palacio de los Borja)

画像の説明

1483年にガンディア公爵となったペドロ・ルイス・ボルジア(チェーザレの兄)のために、1485年、ロドリーゴ・ボルジアによって購入されたボルジア(ボルハ)家の宮殿。
もともとは1408年に建てられた学校だった。

ペドロ・ルイスは周辺の家屋をも買い取り、宮殿の拡大に着手する。1520年、ホアン3世・ボルジアの下で完成、落成式が行われた。

18世紀、アンナ・アントニア・ボルジア( Anna Antonia Maria Luisa de Borja)公爵夫人の死後、ガンディア公爵のタイトルはベナヴェンテ家(Benavente)に統合される。
19世紀、宮殿はベニカルロ家(Benicarló)に売却される。その名前が残りベニカルロ宮(Palacio de Benicarló)とも呼ばれる。

現在はヴァレンシア議会(Cortes Valencianes)が置かれ、ボルジア宮やベニカルロ宮と言うよりもこちらの名の方が通っている。
壁は新しく塗り直され、窓にはきれいなガラスが入れられているので、残念ながら当時の雰囲気は残っていない。




ボルジア通り(Calle de Los Borja)

カバジェロス通り側のパネル。

ボルジア(ボルハ)の名が冠された通り。
長さ約50メートルほどの細く小さい道。周囲の建物にも紋章や説明書きなどは全くない。残念。
ボルジアの名の冠されたショップが1件あるが、何の店なのか営業しているのか不明。

ボルハ通り。 ボルハ通りの店。




ヴァレンシア大聖堂(Catedral de Santa María de Valencia)

大聖堂、ヴィルヘン広場側。 大聖堂内部。
ローマ帝国時代に神殿が立ち、その後イスラム教のモスクが建てられていた場所に、1262年から建築された大聖堂。
17世紀に入ってから改築・増築されているので、ロマネスク様式やゴシック様式、バロック様式などが混在している。

ヴァレンシアの司教・大司教
1429 - 1458アロンソ・デ・ボルハ
1458 - 1492ロドリーゴ・ボルジア
1492 - 1498チェーザレ・ボルジア
1498 - 1500ホアン・ボルジア(シレンツィオ・ホアン)
1500 - 1511ペドロ・ルイス・ボルジア(シレンツィオ・ホアンの弟)

1429年、アロンソ・デ・ボルハがヴァレンシアの司教となって以来、1511年まで、この司教区はボルジア家の面々に受け継がれる。
ボルジアに縁の深い大聖堂である。

左上の写真はヴィルヘン広場側から見た大聖堂。
「使徒の扉(porta dels Apòstols)」の向かって左側にはボルジア家の紋章が彫られている。

上から、アラゴン王、ボルジア家、センテーレス家、の紋章。

 
← クリックすると拡大します。

上から、アラゴン王、ボルジア家、センテーレス家、の紋章。
センテーレス家はヴァレンシアに基盤を持つスペイン貴族。同家のケルビーノは1491年時、ルクレツィアの婚約者であった。
1458年には5代目ガンディア公カルロス・ボルジアが、マッダレーナ・センテーレスと結婚する。


大聖堂入り口。

入り口はレイナ広場側にある。(左の写真。)
入って右側にチケット売り場。日本語のオーディオガイドあり!!(レンタル時にパスポートなどのIDを預ける。)
聖フランシスコ・ボルハ礼拝堂についての解説が含まれている。

入り口上部、青い窓の左右にアレクサンデル6世とカリストゥス3世のレリーフが飾られている。

↓ クリックすると拡大します。
アレクサンデル6世のレリーフ。 カリストゥス3世のレリーフ。


主祭壇の右手奥の部屋「Sala Capitular(参事会集会所、チャプターハウス)」には、アレクサンデル6世の肖像カリストゥス3世の肖像を含む、ヴァレンシア司教・大司教の肖像画が置かれている。
しかしここは入場禁止となっている。


聖フランシスコ・ボルハの礼拝堂(capilla de san francisco de borja)

聖フランシスコ・ボルジアの礼拝堂。 上部に飾られるボルジアの紋。 瀕死の病人につき添う聖フランシスコ・ボルジア

聖フランシスコ・ボルハ(ボルジア)の礼拝堂(capilla de san francisco de borja)。
大聖堂に入って右側、手前から2番目にある。 
中央上部には赤い牡牛のボルジア家の紋章が掲げられる。
正面と左右の壁面に、聖フランシスコ・ボルハを描いたマエッリャ(Salvador Maella)とゴヤ(Francisco Goya)の作品が飾られる。
向かって右手にあるゴヤの初期の作品、「瀕死の病人につき添う聖フランシスコ・ボルジア(St. Francis Borgia assisting a dying man)」(右の写真。クリックすると拡大します。)が有名。
死に瀕しても改悛しない男に向かって、聖フランシスコの持つ十字架から鮮血が噴き出している。男の後ろには魂を捕獲せんとする悪魔たちが待ち構えている。


ミゲレテの塔(Torre del Miguelete)

レイナ広場から見上げたミゲレテの塔。

1376年から作られた教会の鐘楼。
1418年の聖ミカエル(ミゲル)の日(9月29日)に祝福を授けられたことからこのような愛称がついた。
ミカレット(Micalet)、ミケレット(Miquelet)とも呼ばれる。
・・・ミゲルみたい!

207段の階段を上るとヴァレンシアの街が一望できる。




ヴァレンシア美術館(Museo de Bellas Artes de Valencia)

美術館概観。Palazzo di San Pío V

中世から近代までの絵画や彫刻、遺跡発掘物までも所蔵する大きな美術館。
17~18世紀にかけて建てられた「聖ピウス5世神学校」であった建物を利用しているので「Museo de Bellas Artes San Pio V」とも呼ばれる。
エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤなど多くのスペイン人画家の作品を所蔵。

 
ピントリッキオの「聖母子の前に跪く司教(Madonna col Bambino scrivente e un vescovo inginocchiato)」は、カリストゥス3世の庶子と言われるフランチェスコ・ボルジアの依頼によって1495年頃に描かれたもの。
作品はハティヴァの教会(Col·legiata de Santa Maria de Xàtiva)に送られた後、ヴァレンシア美術館のコレクションとなった。
左下に描かれるスツールにはボルジア家の紋章が見られる。

← クリックすると拡大します。

またホアン・デ・ホアネスの作品を模写したホアン・デ・リバルタの描くアレクサンデル6世の肖像も所蔵している。

  • 休館日
    月曜
    • 入場無料!




パトリアルカ修道院(Monasterio de Patriarca)

左が修道院。右の建物は大学。

聖体修道院(Colegio del Corpus Christi)とも呼ばれる、戒律のとても厳しいことで有名な修道院。
付設の教会と美術館、中庭を見ることができる。

美術館はミゲル・エステーヴェの絵画「ガンディア公暗殺」を所蔵している。

  • 美術館(Museo del Patriarca)開館時間
    月曜 - 金曜 11:00 - 13:30

左から2番目がアレクサンデル6世像。


また、パトリアルカ広場(Plaza Colegio del Patriarca)の大学前には、噴水を飾る像のひとつに、アレクサンデル6世の姿が見られる。

← クリックするとアレクサンデル像が拡大します。




ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ(la Lonja de la Seda)

ラ・ロンハ、正面から。 ラ・ロンハ、入ってすぐにある柱のサロン。

海洋領事館、会議室。

イスラムの王宮跡に1482年から建設された、当時の商品取引所。
商業活動のみを目的とし作られ機能していたという、当時では珍しい特徴を持つ。
15 - 16世紀のヴァレンシアが、いかに経済的に発展した重要な都市であったかを示す、ヴァレンシア州唯一の世界遺産である。(2011年現在)
ロンハ(Lonja)は商品取引所の意味で、セダ(Seda)は絹の意味。扱われていた商品は主に絹織物であった。

入ると目の前にある「柱のサロン」は契約取引所。(右上の写真)
左手に別棟があり、そちらは海洋領事館として使われていた。(右下の写真)
塔には、支払いを滞らせた者を投じる牢獄もあった。

ボルジア家は東方貿易に精通し、絹織物にはこだわりを持つ一族であった。(惣領冬実「チェーザレ」1巻)
15世紀末前後、何かしらの関わりはあったはず!








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