パリオ・デイ・ボルジア
パリオ・デイ・ボルジア(Palio dei Borgia)
1455年、アロンソ・デ・ボルハがカリストゥス3世として教皇に選出された後、彼は甥のロドリーゴ・ボルジアを、ネピの総督とした。以来、ネピはボルジア家の所領として発展する。
この、ネピの街とボルジア家とのつながりを記念した祭りが、パリオ・デイ・ボルジアである。
ラツィオ州ヴィテルボ県ネピで、6月の最初の3週の週末に開かれる。
1995年に創設されたまだ新しい祭り。ぜひ長く続いて欲しい!
祭りの内容
祭りのメインは歴史行列(Corteo Storico)で、1499年9月25日、教皇アレクサンデル6世からネピを封土されたルクレツィア・ボルジアが、騎士や貴婦人たちとともにネピのボルジア城塞に入城した日を再現する。
街は花や旗などで華麗に装飾され、時代衣装に身を包んだ行列が音楽隊とともに街中を練り歩く。
また、騎士、旗手、射手、楽隊などによるさまざまな競技会が開かれ、4つに分けられたネピのコントラーダ(Contrade 地区)が、得点を競い合う。
人気の競技は馬上試合(Giostra dei Cavalli)と弓術トーナメント(Torneo degli Arcieri)。
勝者地区には、画家がこのために特別に描いた美麗な優勝旗(Drappo)が贈られる。
パリオには「競技会」「優勝旗」という意味があり、祭りの名前はここから来ている。
優勝旗は、毎年イラストが募集されコンペティションによって選出されている。日本人でも応募可!
他にも演劇や講演会などが開かれ、中世の雰囲気の中で楽しむ郷土料理なども供される。
2024年度(第28回)のプログラム
2024年6月

2024年6月8日(土)
- 文化センター「ラクエドット」 20:00
「ボルジアの食卓」で祝うルネサンス時代のディナー
主催:ボルジアのパリオ運営団体
※要予約
- ネピ市立考古学博物館
「…ルネサンスとの対話」 現代美術展
Di Vin Arteイベントとのコラボレーション
主催:文化協会 Amor Arte
展示期間:6月8日~6月30日(博物館の営業時間に準ずる)
フィナーレイベント:6月28日 18:30
2024年6月13日(木)
- 文化センター「ラクエドット」 21:30
「ボルジアの木曜日 - 芸術、音楽、味覚の融合」
テーマ:「農村の食卓」
ネーピ市立音楽学校および文化協会レオナルドの参加、アーティスト・ロマーノ・チャリムブルスキの介入
試食会:「Gastromania」(ヴァレリオ・マリーニ氏)およびエノテカ「Gustopiù」(マウリツィオ・ジョヴァンネッティ氏)の提供
※要予約
2024年6月14日(金)
- 市議会室(市庁舎広場) 17:30
開会式講演:「ネーピ、石と色の街」
主催:APS OPERA3
登壇者:美術史家 フルヴィオ・リッチ氏、建築家 ファビオ・プリエージ氏、RAI記者 フェデリカ・マリーノ氏
2024年の新ドラッポ(優勝旗)の発表および作者ステファノ・マンチーニ氏へのインタビュー
音楽パフォーマンス:エンリコ・カスラーロ氏
- 大聖堂 18:30
「キャンドルの奉納」と2024年ドラッポの祝福式
- 旧市街の通りにて 19:00以降
「道化師、竹馬芸人、炎のショー」
主催:ラ・コンパニア・デ・ロ・グリフォーネ
2024年6月15日(土)
- ピエロ・カルレッティ地区、旧市街、フォッレ地区 9:30~
「ルクレツィアのために - パリオの生活」
主催:GEA協同組合(欧州連合助成プログラム Ruraac の一環)
- 旧市街および市庁舎広場 21:30
歴史行列および「CUM MAGNO GAUDIO」
ネーピ市の鍵をルクレツィア・ボルジアに授与する儀式
台本および演出:オルネッラ・マルクッチ
2024年6月16日(日)
- 市庁舎内の貴賓室 15:00
「マドンナ・ルクレツィアと一緒にパリオを楽しもう!」
子ども向けの読書および創作ワークショップ
主催:リタ・オッタヴィアーニ先生および文房具店 Gregori
- 市庁舎広場 18:00
4つのコントラーダによる伝統的な競技会
主催:ボルジアのパリオ青年委員会
- ボルジア城塞 22:00
「ルクレツィア、結婚してくれる?」
シモーネ・セナによる執筆・演出の演劇作品
(映画「悲しみの青春」に自由に基づく作品)
※有料イベント
2024年6月20日(木)
- 文化センター「ラクエドット」 21:30
「ボルジアの木曜日 - 芸術、音楽、味覚の融合」
テーマ:「王侯の食卓」
• ダリオ・フォの『教皇の娘』の朗読(出演:カルロ・アルトモンテ、オルネッラ・マルクッチ)
• フルート演奏:パオロ・アントニーニ
• アーティスト:リタ・サルジェンティ
• ギター演奏:アデーレ・フォッフィ
• 試食会:ヴァレリオ・マリーニ氏(Gastromania)、マウリツィオ・ジョヴァンネッティ氏(Gustopiù)
※要予約
2024年6月21日(金)
- 市庁舎広場 22:00
「ハーモニカ:挑戦」
4つのコントラーダによる音楽家たちの競技会
サン・ジェミニ旗手団およびモンテファルコ市歴史グループが特別参加
2024年6月22日(土)
- ボルジア城塞 18:00
「民衆の蜂起」
ネーピ市門破壊の歴史再現
主催:ボルジアのパリオ青年委員会
- サン・ピエトロ教会 21:30
「トゥーシャの道:マセンツィオからストラデッラまでの音楽旅行」
ルネサンスおよびバロック音楽のコンサート
主催:ネーピ NSC アンサンブル
2024年6月23日(日)
- 市庁舎広場 8:30
弓術競技の予選トーナメント
- 市庁舎広場 17:30
2024年パリオ優勝者決定の弓術トーナメント
- フラニーレ広場 18:00
「ルクレツィアの場所たち」
ネーピ市内におけるルクレツィア・ボルジアの滞在地を巡るガイド付きツアーおよび歴史再現
主催:エスプロラ・トゥーシャ協会
参加費:1人10ユーロ(最大25名、予約必須)
- ボルジア城塞 22:00
「アレクサンドル6世、教皇ロドリーゴ・ボルジア:不名誉か国家の理か」
フランチェスコ・マドンナによる執筆・演出の演劇作品
※要予約
2024年6月27日(木)
- 文化センター「ラクエドット」 21:30
「ボルジアの木曜日 - 芸術、音楽、味覚の融合」
テーマ:「修道士たちの食卓」
• ネーピ音楽学校「リチェルケ・ソノーレ」の参加
• アーティスト:ステファノ・チアンティ
• 試食会:ヴァレリオ・マリーニ氏(Gastromania)、マウリツィオ・ジョヴァンネッティ氏(Gustopiù)
2024年6月28日(金)
- ネピ市立考古学博物館 18:30
「…ルネサンスとの対話」現代美術展フィナーレ
試食会:Gustopiù
- ボルジア城塞 21:30
「著名な幽霊たちの実話」
夜間の演劇ツアー
演出:オルネッラ・マルクッチ
2024年6月29日(土)
- パルコ・コムナーレ(殉教者公園) 9:30
騎士競技の予選トーナメント
- パルコ・コムナーレ(殉教者公園) 18:00
2024年パリオ優勝者決定の騎士競技
- 旧市街の通りにて 19:00以降
「道化師、竹馬芸人、炎のショー」
主催:ラ・コンパニア・デ・ロ・グリフォーネ
- ボルジア城塞 21:30
「著名な幽霊たちの実話」
夜間の演劇ツアー(再演)
2024年6月30日(日)
- 市庁舎広場および旧市街 19:00
歴史行列および2024年ドラッポの授与式(優勝コントラーダへ)
- 土日限定の特別ツアー
ボルジア城塞およびサンタ・サヴィニッラのカタコンベのガイド付きツアー
主催:ネピ市立考古学博物館
開館時間:10:00~13:00 / 15:00~19:00
入館無料(要問い合わせ)
- タベルナ(居酒屋)
2024年6月14日~16日 / 21日~23日 / 28日~30日
連絡先:電話番号 0761 570604 / Email: museo@comune.nepi.vt.it
コントラーダ(4つの地区)
ネピの市街地が4つのコントラーダ(Contrada 地区)に分けられ、競い合う。
コントラーダは、ボルジア城塞と、3つの教会が中心となっていて、それぞれの名前にもなっている。
1・Contrada La Rocca(ボルジア城塞地区)
2・Contrada Santa Maria(サンタ・マリア教会(ドゥオーモ)地区)
3・Contrada Santa Croce(サンタ・クローチェ教会)
4・Contrada San Biagio(サン・ビアージョ教会地区)
※ 紋章の画像は公式サイトからお借りしています。
ラ・ロッカ地区(La Rocca)

ボルジア城塞を中心とした地区。
この地区の紋章はボルジア家のもので、金地に草を食む牡牛が描かれている。
地区のカラーは緑と赤。
ボルジア家はネピの歴史において非常に重要な役割を果たしている。ので、祭りのさまざまなイヴェントでも中心となっている。
ラ・ロッカ地区は優勝回数が最も少ない。
しかし音楽隊部門が頑張っていて、こちらの部門で2回優勝している。
総じて、サンタ・マリア地区とビリ争いしている。頑張って!
サンタ・マリア地区(Santa Maria)

サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂(ドゥオーモ)を中心とした地区。
この地区の紋章はファルネーゼ家のもので、金地に6つの青いユリが描かれている。
地区のカラーは黄色と青。
ファルネーゼ家出身の教皇パウルス3世が、彼の庶子であるピエル・ルイジ・ファルネーゼにネピとその周辺地域を与え、カストロとネピ公国を創設した。
ここから地域は最も繁栄し、円熟期を迎えた。
サンタ・マリア地区は優勝回数は3位だが、音楽隊部門での優勝がゼロ。
ラ・ロッカ地区とビリ争いしている。頑張って!
サンタ・クローチェ地区(Santa Croce)

サンタ・クローチェ教会を中心とした地区。
この地区の紋章はアングィラーラ家のもので、交差した2匹のウナギが描かれている。
(しかしよく見られるアングィラーラ家のウナギは、尻尾は交差していないので、この紋章はちょっと珍しい。)
地区のカラーは白と青。
アングィラーラ家は、中世にネピを統治していた。
サンタ・クローチェ地区は、サン・ビアージョ地区に次いで優勝回数が多い。
サン・ビアージョ地区(San Biagio)

サン・ビアージョ教会を中心とした地区。
この地区の紋章はオルシーニ家のもので、上部に赤い野バラ、中央に金地に緑色のウナギ、下部に赤と銀の斜めの帯が描かれている。
地区のカラーは白と赤。
オルシーニ家も、中世にネピを統治していた。
サン・ビアージョ地区は優勝回数が最も多く、中でも楽隊部門はぶっちぎりで強い。
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